プラダは、2022年3月11日(金)から6月20日(月)まで、プラダ 青山店において、プラダ財団の支援を得て企画された展覧会「Role Play(ロール プレイ)」を開催します。
ヘルツォーク&ド・ムーロンが設計した象徴的な建築物、プラダ 青山店の5階で開催される今回の展覧会は、2022年2月19日(土)から6月27日(月)にかけて、ミラノのOsservatorio Fondazione Pradaで開催されている展覧会の第2弾です。
メリッサ・ハリスがキュレートした今回のプロジェクトは、代替可能かつ理想化されたアイデンティティを模索し、投影し、作り上げる概念について探求します。アーティストは、ロールプレイングや分身の創造、自己の拡散などを切り口として、個人の本質や表向きの人格の追求とその理解に迫ります。
メリッサ・ハリスは次のように指摘します。「分身や表向きの人格、化身は自分の望みであるかもしれない。おそらくそれは、自分の個人的、文化的な背景や他者意識に関連しているとも言え、アクティビズムのひとつ、あるいは、既成概念にとらわれずに、相手の立場に立って考えるという共感を得るための手段であるかもしれないのです」
写真は発明されて以来、その客観的な性質や写真を目の前にして感じる本物の感覚を利用しながら、他者性の概念を表現する理想的な手段であり続けています。ここ数十年の間に、こうした媒介物は、オンラインゲーム、ソーシャルメディアプラットフォーム、その他の革新的なロールプレイングの状況を受け入れるレベルにまで進化し、私たちの自己へのこだわりを強めています。
今回、東京で開催される展覧会では、国際的に活躍するアーティスト、ジュノ・カリプソ、ベアトリーチェ・マルキ、ハルカ・サカグチ、グリセルダ・サン・マルティン、澤田知子、ボゴシ・セククニが手がける写真や映像、音声作品をクリエイティブ・エージェンシーのRandom Studioによる光のインスタレーションの中で展開します。
参加アーティスト
ジュノ・カリプソ(1989年生まれ、イギリス・ロンドン出身)
写真のシリーズ『What To Do With a Million Years?』(2018)は、全体がピンク色で装飾され、70年代にラスベガスの地下に核攻撃の際の避難場所として建てられた邸宅をカメラに収めました。この邸宅は近年、不老不死と永遠の若さを手に入れようとする謎のグループが所有していて、外の世界をシミュレートした場所となっています。
ベアトリーチェ・マルキ(1986年生まれ、イタリア・ガララーテ出身)
自身の分身のひとつであるケイティに焦点を当てたオーディオ作品『Never Be My Friend』(2014)を発表。彼女によって作られ解釈を加えられた多義的なキャラクターが、伝統やジェンダーの固定観念を皮肉りながら実際の社会的な問題を訴えます。
ハルカ・サカグチ(1973年生まれ、日本・大阪出身)、グリセルダ・サン・マルティン(1978年生まれ、バルセロナ、スペイン出身)
『Typecast』(2019)と題した風刺的なポートレートシリーズを通じて、米国のエンターテインメントや映画業界における多様性の欠如を訴えています。このような現実を浮き彫りにし、メディアに蔓延する人種的偏見を深く掘り下げるため、頻繁に提供される典型的な役や憧れの役を体現している俳優たちをカメラに収めています。
澤田知子(1977年生まれ、日本・神戸市出身)
写真のシリーズ『OMIAI♡』(2001)は、衣装、かつら、化粧、体重を増やすなどによって、30人の異なるキャラクターに変身しました。これらのポートレート写真は、家族が我が子の写真を交換し、その子にふさわしい相手を見つけようとする、日本のお見合いという習慣や初顔合わせの際の写真を再現しています。
ボゴシ・セククニ(1991年生まれ、南アフリカ・ヨハネスブルグ出身)
疎遠になっている父親との関係をシミュレートした2つのスクリーンのビデオインスタレーション『Consciousness Engine 2:absentblackfatherbot』(2013)を発表。デジタルネットワーク時代における人間の意識に関する探求の一部であるこの作品は、3Dでアニメーション化された2人の話し手とする頭部だけのアバター(化身)が、18歳の時に彼がFacebookで交わした緊迫感あるチャットのやりとりをロボットの声で再現しています。
Juno Calypso A Clone of Your Own, 2017 Courtesy of the artist and TJ Boulting
Haruna Sakaguchi and Griselda San Martin Typecast Project, 2019 Courtesy of the artists
Tomoko Sawada OMIAI♡, 2001 Credits of the artist Courtesy ROSE GALLERY
Beatrice Marchi Never Be My Friend, 2014 sound 10’16’’ Courtesy the artist and SANDY BROWN, Berlin
Bogosi Sekhukhuni Consciousness Engine 2: absentblackfatherbot, 2014 dual-channel video installation Credits: Foxy Production
Role Play(ロール プレイ) 開催概要
会期:2022年3月11日(金)-6月20日(月)
場所:プラダ 青山店 5F(住所:東京都港区南青山5-2-6)
時間:11:00–20:00
入場料:無料
参加アーティスト:ジュノ・カリプソ、ベアトリーチェ・マルキ、ハルカ・サカグチ、グリセルダ・サン・マルティン、澤田知子、ボゴシ・セククニ
*新型コロナウイルス感染症の感染予防・拡大防止のため、状況に応じて入場制限を行う可能性があります。
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