2025AWコレクションのはじまりは、フォトグラファーの Philippe Bialobosによる『Messenger Style』を何気なく手に取ったことだった。
そこに収められていたのは、躍動感に溢れたジャンルレスで自由なバイク・メッセンジャーの装い。
日焼けや風雨によってエイジングが進行しリペアの繰り返されたバッグや衣服に、自身の中枢を貫く精神性に通底するものを見出した。
また、ソリッドな肉体にチェーンやキーを巻き付けたスタイルの数々に内包された、「素早く無駄なく伴を開ける」というオープンでストレートなマインドにも強く心を打たれた。
あるいは、車と車の間伱を縫ってNYの街を切り裂くように命がけで大胆に疾走するメッセンジャーたち。
置かれた状況を問わずブレーキのないピストバイクで突っ走る姿が、前のめりに歩みを続けるブランドの現在地とオーバーラップした。

“KAMIYA TEAM“やナショナルチームのユニフォーム風の”KAMIYA JAPAN”といったレタードロゴ、配達者のイメージに紐づく鳩やバイカーのグラフィックが身体のメディア性を際立たせ、着用者ひとりひとりが神谷からの手紙を託されたメッセンジャーなのだと親密に語りかける。
手まつりによるリペアやエッジの立った加工を施されたダメージデニムは生々しい人間の痕跡を纏い、使い古し、宿った時間の流れを想起させる。
ショーにおいて繰り返し用いられたシルバーおよびブラス製のキーは、ユニークでプレイフルなスタイルを生み出すNYのメッセンジャーたちへの憧憬が映し出された。
ブランドのコアであるワークスタイルは不変だが、コーデュロイ、ツイードといったクラシカルな素材のアイテムやテーラードジャケットがワードローブに多数加わり、カラーパレットもミリタリーライクな色調へと変化した。

シーズンを重ねるごとに緩やかに変化を繰り返しながら練り上げてきた、ルードでボーイッシュなスタイル。
拙くも力強い筆致の手紙をまだ見ぬ世界の人々へと届けてくれることを願って。

Designer : Koji Kamiya
Runway Photo : Shun Mizuno
















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