「都市」の未来像を考える「庭プロジェクト」~神奈川県村岡・深沢地区の再開発についての研究を発表 藤沢市及び鎌倉市へ提案

庭プロジェクトの提案する未来の村岡・深沢地区

「庭プロジェクト」(代表:宇野常寛)は、これからの「都市」のありかたについて考える有志の研究会です。建築家、哲学者、人類学者、ケアの専門家、デベロッパー、官公庁の職員など、産学官民の垣根を越えて、さまざまな分野の専門家が集まり、2023年4月から研究会を開催してきました。この度、JR東海道線新駅開設に伴う大規模な再開発計画が進行中である神奈川県藤沢市(村岡地区)及び鎌倉市(深沢地区)について、これまでの研究に基づいた提案書をまとめ、2025年4月22日(火)に、両市に提出しました。

※提案書全文(https://slowinternet.jp/article/niwapro_teian/

提案書表紙画像

【提案書のポイント】
1) 「1キロメートルを歩く」体験を住民の財産に──シンボル道路の「ウォーカブル化」
2) 格差と分断に負けないまちづくり
3) 自然と歴史との接続を活かしたランドスケープデザイン

1)「1キロメートルを歩く」体験を住民の財産に──シンボル道路の「ウォーカブル化」
現計画では、湘南モノレールの湘南深沢駅とJR村岡新駅(仮称)とをつなぐ約1.1キロの「シンボル道路」が、再開発地区のメインストリートとして新設される予定です。「庭プロジェクト」ではこの「シンボル道路」を自動車ではなく、人間中心の「歩ける道」にすることを提案。休日に歩きたくなる1キロメートル、あるいは平日の仕事や子育ての用事の「ついで」に歩きたくなる1キロメートル……約15分の楽しい体験を市民の財産にすることを目的としています。
混合交通を大胆に導入することで、安全に歩ける環境を整え、市民が道を歩くことを楽しむことのできるように日陰と座る場所を設置。「楽しみ」の創出や市民が自由に使える「余白」のある道端をつくるなど、小さな工夫の集積が、この「道」を再開発地区の価値の中心に押し上げると考えています。

2)格差と分断に負けないまちづくり
都市部の再開発において世界各地で問題化しているのがジェントリフィケーションによる格差の可視化と地区間の分断です。こうした問題を回避するため、「庭プロジェクト」では、村岡・深沢地区とその周辺の多様な住民構成に注目し、再開発地区と周辺地区とのシームレスな接続と、多様なアクターのニーズに柔軟に応える区画整理・利用を提案します。これにより、予測される従来の住民と新設される集合住宅に暮らす新住民との分断も回避します。

3)自然と歴史との接続を活かしたランドスケープデザイン
村岡・深沢両地区の特長として、豊かな自然と古い歴史があげられます。鎌倉古道をはじめとする史跡とその周辺の森林、両地区の間を流れる柏尾川、村岡新駅(仮称)南口周辺の旧市民農園など、この地域の土地の自然と歴史の豊かさを活かしたランドスケープをデザインすることで、新興の再開発地区の一般的なイメージを払拭する個性的な風景を出現させることを提案します。

この提案書は既存の計画を批判するものではなく、既存の計画が具体化する過程において、これらの要素が加わることにより、よりよい再開発につながることを意図しています。

鎌倉市役所にて

藤沢市役所にて

■庭プロジェクトとは
SNSのプラットフォームがインターネットをどうしようもなく拙速に、窮屈にしてしまっているいま、もっと人間が自由になれる場所を、それも実空間につくることはできないか──そんな考えからはじまったのが「庭プロジェクト」です。建築家、哲学者、人類学者、ケアの専門家など6名のボードメンバーを中心に、哲学から建築、人類学からケアまでさまざまな分野のプロフェッショナルが、官民産学を問わず集まって知恵を出し合う研究会の模様をレポートしています。

●ウェブサイト: https://slowinternet.jp/article-category/niwaproject/

■プロジェクト・ボードメンバー

宇野常寛
批評家

井庭崇
慶應義塾大学総合政策学部教授

小川さやか
学校法人立命館副総長/立命館大学大学院先端総合学術研究科教授

門脇耕三
建築家、建築学者

鞍田愛希子
精神保健福祉士・社会福祉士

鞍田崇
哲学者、明治大学理工学部准教授

田中浩也
慶應義塾大学SFC環境情報学部教授

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