先日、4/22にロンドン発の国際的なムーブメント「ファッションレボリューションウィーク」が原宿で開催されました。昨年10月に発足した財団法人エシカルタウン原宿の第一回目のイベントとなります。今年で17回目、毎年10万人もの人が集う「アースデイ東京」に合わせて、開催された今回のイベント。この日に地球環境や人権に付いて改めて考えるキッカケを作るという事で、将来的には「ファッションレボリューションウィーク」と「アースデイ東京」との相互回遊を目指しますと、主催エシカルタウンの早川氏がコメントされました。
今回のテーマには生産した地域や生産した人を考えるという意図が組み込まれた、ドレスコード=タグアウト(洋服を裏に着る)というコンセプトから試写会の前にはエシカルタウン理事長 八木原氏、リバースプリジェクト代表取締役 亀石氏、エシカル代表 末吉氏、渋谷区長 長谷部氏もタグアウトスタイルで挨拶されました。
第一回目の今回は、ファッションについて考える「the true cost~真の代償〜」の上映会が有り、ファッション業界の暗闇が浮き彫りになるドキュメンタリー映画を視聴しました。
これは衣服に関する物語で、私たちが着る服や衣服をつくる人々、そしてアパレル産業が世界に与える影響の物語だ。これは貪欲さと恐怖、そして権力と貧困の物語でもある。全世界へと広がっている複雑な問題だが、私たちが普段身に着けている服についてのシンプルな物語でもある。
この数十年、服の価格が低下する一方で、人や環境が支払う代償は劇的に上昇してきた。本作は、服を巡る知られざるストーリーに光を当て、「服に対して本当のコストを支払っているのは誰か?」という問題を提起する、ファッション業界の闇に焦点を当てたこれまでになかったドキュメンタリー映画だ。
この映画は、きらびやかなランウェイから鬱々としたスラムまで、世界中で撮影されたもので、ステラ・マッカートニー、リヴィア・ファースなどファッション界でもっとも影響のある人々や、環境活動家として世界的に著名なヴァンダナ・シヴァへのインタビューが含まれている。またフェアトレードブランド「ピープル・ツリー」代表サフィア・ミニーの活動にも光を当てている。私たちは行き過ぎた物質主義の引き起こした問題に対して、まず身近な衣服から変革を起こせるのかもしれない。
(画像:http://unitedpeople.jp/truecost/aboutより)
この映画は、ファストファッションが台頭してきてからのファッション業界の仕組みを追っており、激安商品の中で、誰がそのしわ寄せを背負っているのかという問題定義のドキュメントで、映画作成に至った経緯は2013年、バングラディッシュの首都ダッカにある8階建ての商業ビル(縫製工場)ラナ・プラザが倒壊し、死者1,127人、負傷者2,500人以上出した事故がキッカケで制作されています。安全管理が疑問視される建物の中で、工員が、ビルに亀裂が入っていつのを責任者に伝え、避難を要求したが差し替えされ仕事場に戻らされた後に崩落事故という痛ましいものでした。この映画を視聴しての感想は、大手が先導しているファッションのシステムを変える事はすぐには出来ません。カワイイ商品、素敵な商品を安く、早く手に入れる事は私たち消費者にとっては嬉しい事ですが、どんな背景でその服が成り立っているのか考えて購入出来る消費者になりたいなと思いました。安いから飽きたらすぐに捨てるのでは無く、長く大切に着れる商品を、価値に見合った金額で購入出来る人になりたいと思います。実際、私は生産側にいる人間でもあるので、このファストファッションに先導されている流れを止めるのは難しく、深い問題が有るのですが、小さな活動でも消費者側から出来る事をしていければと思います。そういった流れが、大手ブランドの工場の背景をオープンにするなどの世間に対しての対応に繋がるのかと思いました。
この映画視聴の後は、BEAMSクリエイティブディレクターの南馬越一義氏、「Numero TOKYO」エディトリアル・ディレクター軍地 彩弓氏、モデル・エシカルファッションプランナーの鎌田安里紗氏がこの映画を踏まえ、「これまでのファッション、これからのファッション」についてクロストークが行われました。
登壇者と主催者の皆さんで。
この他にも、エシカルブランドが3ブランド紹介され、エシカルに関連したブース出展も多く見られ、大盛況のうちに幕を閉じました。
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