オリンピックを3年後に控え、伝統文化からアニメなどのサブカルチャーまで幅広く注目される日本文化。そんな中でも、今回は伝統芸能の能をピックアップ。能は、現代人の私達には少し難解で、敷居が高い印象ですが、今回は能の見方を教えてもらえるということで、味方玄氏の能の見かたをレクチャーする講座に行ってきました。題材は7/22の(土曜)午後14時より宝生能楽堂で公演されるテアトル・ノウの「巴」。巴は「平家物語」9巻が、物語の素材になっています。登場人物はワキ−僧侶(衣装:角帽子、絓水衣、無地熨斗目)前シテー里女<化身>(衣装:面若女、唐織り)アイー粟津の里人(狂言上下)、後シテー巴御前の霊(面増女または、十寸髪、梨打烏帽子、唐織壺織、白大口)で、それぞれが語りと節(歌)で構成されています。また、衣装によってその役の位や身分が分かります。能は”見立て”でストーリーが進行して行くので、衣装は終止同じで、着物の色や烏帽子を変えるだけで、場面設定をしています。ワキが状況の説明をしてくれるのでそれを想像しながら、観劇します。
あらすじは木曽の山里の僧が都に行く途中、近江国の粟津の原(滋賀県、大津市粟津)へやって来ます。そこへ、1人の里女が現れ、とある松の木陰の社に参拝しながら、涙を流しています。不思議に思った僧が言葉をかけると、行教和尚も宇佐八幡へ詣でられた時「何ごとのおはしますとは知らねども、かたじけなさに涙こぼるる」と詠まれていた様に、神社の前で涙を流す事は不思議では無いといい、「ここはあなたと故郷を同じくする木曽義仲が神として祀られているので、その霊を慰めて欲しい。」と頼みます。そして、実は自分も亡者であると言い残して、夕暮れの草陰に隠れてしまいます。旅層は、里の男に義仲の最期と巴御前のことを詳しく聞き、同国の縁と思い、一夜をここで明かすべく読経し、亡き人の跡を弔います。すると、先刻の女が、長刀をもち甲冑姿で現れ、自分は巴という女武者であると名乗ります。義仲の討死の様と、その時の自分の奮闘ぶりを語ります。しかし、義仲の遺言により、一緒に死ぬ事が許されず、形見の品を持って一人落ちのびたが、心残りが成仏の妨げになっているので、その執心を払って欲しいと回向を願って消え失せます。
解説や、見方の説明の後は、唄うとより分かり易いとの事で、会場にいる皆さんと、一緒に唄いました。
巴の合戦での奮闘ぶりのシーンは、想像していたものよりはるかに機敏かつダイナミックでした。能=舞いというイメージでしたので、少し能のイメージが変わりました。
次号は、衣装の説明に続きます。
今回の講座の題材になった「巴」は7/22(土曜)午後14時より宝生能楽堂で公演されます。
公演詳細はコチラ 「テアトル・ノウ東京公演」
撮影:菊池直子
解説リンク:THE 能.comより引用
この記事へのコメントはありません。