RYUNOSUKEOKAZAKI <005> Runway Show を発表しました。
RYUNOSUKEOKAZAKI <005>
“Talk About the Habit”
「祈り」の探究は、〈005〉で転換点を迎えます。

岡﨑龍之祐にとって、祈りとは単に人が能動的に行う行為とは限りません。それは身体に宿り、留まるものです。私たちが 暮らしの折々で胸中に抱く「感情」さえも「祈り」になりうるなら、「私が祈る」のではなく、「私に祈りが留まる」とも言い換えられるのだと彼は話します。

ナンバリングされるコレクション——〈000〉から〈003〉は祈りを、時間を超えたものとして位置づけ、〈004〉では地上を思い描き、人間同士の親和性に接近したとすれば、「〈005〉では『祈り』が、今へ、個人へと降りてきたように感じている」と、岡﨑は語ります。〈005〉の実験とは「着ること」を通じて、祈りが個々人の内側へと浸透していく可能性を、思索することにありました。

ある側面として、衣服の歴史は“なぞること”の歴史と捉えられます。花の色、動物の皮膚、葉脈の走り方——人間はかつて、自然の形態を写し取り、造作し、それらを空間や身体に纏ってきました。人工技術であるプリントによるローズ、パイソン、レオパードの柄は模倣の痕跡であり、この常套手段がブランドとして初めて柄を用いた決定的な契機となりました。一方、チェックやストライプは、コミュニティやアイデンティティの識別、帰属の役割として、人間社会そのものをなぞるためにも機能してきました。〈005〉にはその両方が存在します。

4年ぶりに敢行するショーではベロアやストレッチ素材で造形するRYUNOSUKEOKAZAKIにとって馴染み深い彫刻的なドレスの傍らに、過去のコレクションの自己反芻ともとれる「ノーム」なドレスも現れます。「まるで誰かが、人類の服や装いを観察し、外側から真剣になぞっているかのように」。こうして、真正と模倣をめぐる思考の胎動が、コレクションに躍動性をもたらしていきました——なぞりが、なぞりをなぞる。人それぞれの脚の形によって湾曲するセカンドスキンのようなタイツには、ドレスのファブリックやデニムの織り目をよれ・歪みを残したまま拡大複写された画像がプリントされています。一部のルックでは存在しないポケットに手が差し込まれ、どこかで見たことのある「人間らしき」所作が、視覚言語に不安定性を滲ませます。

コレクション〈005〉に添えられた副題「Talk About the Habit」の主格は、明確にはありません。設計図もアルゴリズムもなしに蓄積された岡﨑自身の「手の経験」、もしくは私たちの習慣や身についた癖、常識がインスピレーションにあったことを直截的に意味しています。彫刻家の辻一徹と岡﨑が共作したアクセサリーの数々、リアルとフェイクが混淆するレザーやファーとともに、スタチュー的な「ドレス」と「ノーム」が、特定のカルチャーや時代、スタイルコードとは無関係に共 存する様は、物 語の順 序を撹 乱し、無 自 覚に常 識 化され たものを揺さぶりうるとRYUNOSUKEOKAZAKI は信じています。

手を介して素材と対話しながら形を見出すことは、岡﨑にとって静かな、しかし揺るぎない行為であり続けています。これは、彼の精神を汚染するものへの控えめな拒絶でもあるのです。
















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