アパレル関係者には、縁の深い経済産業省の繊維課が生活製品課に変わって、数ヶ月経ちますが実際には何が変わるのか。
今回、経済産業省 製造産業局 生活製品課 企画官の伊藤氏にお話を伺いました。伊藤氏は以前、山口県できららオーガニック株式会社の立ち上げに尽力されおり、地方では地産地消と、うたわれていますが地消ではマーケットが小さいため地産外消にならないと地域は活性化しない。そのためには、地域の商社的機能が必要という事で、山口の商工会議所などに掛け合い、きららオーガニック株式会社の立ち上げバックアップをした方です。
話は戻りますが、名前が変わって何が変わるのか?今までは、繊維のみの扱いだったのが、皮革/伝統工芸/建築のプレハブも含まれる様になり、消費者目線(BtoC)をより強化する。また、IOT化する事で産業のスリム化を計り効率をアップさせ産業を拡大させる。そういった社会的な要請に対してどう機能するか?そういった事を念頭に構成されています。
消費者目線というのはどういうことか、わかり易い例を頂いたので、ここで1つご紹介します。楽器のピアノは以前、大幅な縮小傾向に陥った事があり、その要因の1つとしてグランドピアノという大型の楽器だったという事が上げられる。この時、ピアノの小型化を口にしたのは消費者で、それを取り入れた事で、現在は縮小化されたピアノや電子ピアノなど、商品の巾も広がり市場として大分持ち直しているとか。
また、企業側の消費者目線マーケットでうまく言っているのが、ランドセル市場。ランドセルは、国内でも海外でも需要が高く、特に韓国で人気とか。ランドセルの由来が軍隊から来ているので文化論争になりかけている程です。国内では、ランドセルは祖父が孫に贈るものとして定着させ、販売の時期なども工夫しており、成功している良い例といえるでしょう。
最後にIOTが繊維にミックスされるとどんな事が起こるのか??将来的には、店員のいないショップや、工員のいない縫製工場・機屋などが出てくるかも知れない。ただ、IOT化が進む中で、廃れてしまう昔ながらの工業技術も出てくるであろう中で、未来に向けて生き残って行く道を探して行くのが地方の産地や伝統工芸に取っては大きな課題となりそうです。
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